変わらず雨が降り続けている、魚市場での披露宴。
申し訳なさも色々あるのに、集まってくれた昔からの友達は、
変わったシチュエーションでの結婚式や披露宴を楽しんでくれている。
にぎやかに進んできた披露宴も、両親へのお手紙披露の場面となった。
未熟なぼくを信じて、大切な志寿香を託してくれる志寿香のご両親の気持ち、
心配もかけてきたのに、大らかに見守り続けてくれている自分の両親の気持ち。
先月大阪で行われた志寿香の双子のお姉さんの結婚式の時や、両親への手紙を考える時に、
これまでの自分の人生や、志寿香が生きてきた道を改めて振り返った。
自分はこれからもっと強くならないといけない。
今日一日だけでも、何度も何度も涙がこみ上げつつ、披露宴のフィナーレ、餅投げはお祭りのようで盛り上がった。
結びは、参列者みんなでの記念撮影。
東京から渥美半島に車で引っ越してきた早朝、恋路ヶ浜で日の出を迎えた時は一人だった。
同じ恋路ヶ浜に大勢の人たちが集ってくれて、結婚式や披露宴を開けたなんて夢みたいだ。
披露宴がお開きとなった後は、海辺のホテルを会場に自分たちで司会をする二次会を行い、特産品のビンゴなどで盛り上がった。
明けて翌日、両親や友達を見送り、志寿香と二人でホッとしたところで、幸せや感謝の気持ちに包まれた。
東京からやってきて、畑仕事など何もわからないぼくに、色々教えてくれたHappinessあつみのヒロさん、
陽三さんやお世話になった地域の人たち、元気ネットの人たち、番組に誘われなければ志寿香との出会いはなかった。
志寿香と出会ってから入籍するまでの1年は、あっという間のようでいて、とても中身が濃かった。
一緒に暮らし始めてから今日まで・・・
結婚式の準備は変則的でたいへんなことも多かったけれど、色んな人たちの協力で無事に形となった。
これからこの地で生活をして、お世話になった人たちに恩を返したい。
東京の友達にも、志寿香の大阪の友達にも遊びに来てもらいたい。
渥美半島で行ってみたい場所はまだまだたくさんある。
山も海も町もお店も、出会いたい人やお祭りやイベントも・・・
半島を拠点に、フェリーに乗って伊勢神宮にも行ってみたいし、近くの島にも行ってみたい。
夫婦や家族として暮らしていくことは、いいことばかりではなく、たいへんなことも多いと思うけど、
お互いが年をとった時に笑い話になったらいいな。
志寿香にも語り続けてきた自分の夢・・・生活の中に、命や農を感じられる場所をつくりたい、という想い。
それはきっと、家庭づくりにも通じるんだと思う。
ぼくを信じて人生を預けてくれた志寿香を守り、絶対に幸せにしたい。
*メインストーリーは今回で結びですが、次回から「おまけ」が3つございます。